2008.10.18 プロフェッショナルの流儀
昨日の深夜、Nさんのキッチンの図面を描きながら
なんとなくTVをつけたらNHKの「プロフェッショナルの流儀」で宮崎駿監督を
特集していて、つい見入ってしまった。
ちょうど「崖の上のポニョ」の製作を追ったもので、スタッフを怒っている姿などは
設計事務所に勤めていた時の、所長の姿とだぶって見えた。
1シーンの隅のほうにちょっとだけ映る鳥を描くのにもこだわり
「こんな鳥じゃ飛びませんよ!解らないものを解らないまま描かないで下さいよ!」
「作品の全否定ですよ!」なんて言われて、スタッフの人はしゅんとしていた。
そういえば僕も同じような事を所長に怒られたこともあったっけ。
怒られたスタッフの人は気の毒だが、このスタッフに同情する気持ちよりも
そこまで作品に執着する監督に、なんだか不思議と涙が出てきました。
クリエーターの資質を本当に備えている人。そこまで自分を追い込める人は
なかなかいません。僕の所長もそうでした。
ほとんど1年中、所員と共に事務所で寝泊りして、深夜の2時、3時まで製図台に向かい
スケッチを続けていた・・・。
さすがに所員よりも先にダウンして寝ても、寝言でも「そこは連続した柱にしなきゃだめだ!」
と言っていた。あまりにはっきりしているので、みんな「えっ!また変更ですか?」なんて思った。
建築への執着がそれほどまでにあることをその時思い知らされたのです。
モノづくりの現場は、あまりにも地味で、カッコいいものではありません。世間に見えるカッコよさの裏には
比較にならないほどの地道な作業が続きます。それでも執着し続けられる。想像を絶します。
勤めている時は苦しくて苦しくてしょうがなかったけど、今振り返ると本当に良い事務所で勉強したと
思えるようになりました。最初に勤める会社は一番大切です。僕はまだまだ未熟者です。
そんなことを思い出させるドキュメントでした。
>ochi
+Kaneda*mokko HP+