「宇都宮市内に新築中なんですが、リビングのTVボードと本棚の製作とかはやってますか。」年が明けてまもなくのこと、Hさんとの出会いはこんな感じで始まりました。一先ずお越し頂き、詳しくお話を伺うと「本当は家を建て始めた時に、別の木工所と話をしてたのですが、いざ完成間近いなっても一向にのらりくらりで乗り気になってくれません。」聞けば栃木では割と大きな木工所で大所帯の会社。年があけても造作家具が決まらず、お困りの様でした。しかも新居はうちの工場のすぐ近く、歩いて行ける距離。これはなんとかしてお手伝いしたいなぁ、と思いました。

最初にご主人から渡されたイメージ図（左）を元にスケッチ（右）を起こし、まずはイメージを共有します。オーダーは完成するまで現物を見ることができないからです。さらに奥さんが集められた小物をディスプレイする棚、プリンターを収納する場所など細部に話を進めながら、細かな修正を加えていきます。何回かメールでやり取りした後に、ご新居で最終的な確認をして、製作に入っていきます。

写真下は扉・抽斗を全部開けた状態。飾り棚は扉付のガラス棚に落ち着きました。下段の抽斗は文房具や学校からの案内などを収納。左下はプリンター収納。スライドテーブルになっています。抽斗にはＣＤを仕舞うために中仕切り板を入れました。中央はDVDなどのデッキ類を置きます。放熱対策のために、棚はシナの有孔合板を使用。

「本当は出来上がるまで不安だったんですよ。でも出来上がったのを見たら安心しました。」と聞いて私も一安心。一点ものなので、完成するまでは現物が見られないので、不安だと思います。だから、何度もやり取りをして納得してもらえるようにしています。Ｈさんのご主人は、だいぶ細かい方でした。（笑）家具は取り付きましたが、これで完成ではありません。これから新しい生活をスタートさせて、どんどんＨさん家族らしい住まいにしてください。

もうすぐ春です。